ライジャケサンタです。この活動を始めた理由です。ちょっと長くなります。

 

私は、若い頃、カヤックにはまっていました。明けても暮れても、毎日のように、いろんな川に出かけてカヤックを浮かべて遊んでおりました。その後、小学校教員になり、子ども達を水辺に連れて行く機会がありました。その際、カヤックをしている時にアタリマエだった安全に対する考え方が一般的に浸透していないことを知りました。

 

それは、教員になって間もない頃のこと。学校の行事で川に行くことがあった時、「危ないな・・・」と感じていました。まだ、若かったこともあって、何も意見をすることができず、その行事を迎えました。すると、その行事中に、目の前で子どもが溺れてしまったのです。一瞬の出来事でした。水深も浅く、すぐに助けることができましたが、ホントに危ない瞬間でした。

 

それまで、自分は水辺のこと知っている・・・と自負していましたが、それだけでは子どもたちの安全を守ることはできないことを痛感しました。「危ない」と思っているなら、ちゃんと意見して伝えたり、準備できるものはちゃんと準備したりしないといけません。アタリマエのことです。とにかく、よほど配慮しないと、対策をしっかりとしておかないと、子ども達を危険な目に合わせてしまうことがあるんだということに気付きました。

 

その後は、自分の所属校で、水辺の安全のことや「ライフジャケット」の必要性等を訴えるようになりました。「ライフジャケット」は、いろんな団体から借りて準備をしました。そんな姿を見て、所属校ではすぐに「ライフジャケット」も購入してくれるようになりました。そして、数年で、行事に参加する子どもの分の「ライフジャケット」がそろいました。動いて、伝えれば確実に変わっていく・・・ってことを実感しました。

 

少しずつ進んでいることを実感していた2007 年の夏、市内の小学生2 名が高知県の四万十川で亡くなるという事故が発生しました。ホントに近くの小学校で、自分の所属している市教育委員会のイベントでした。新聞の1面でそのことを知り、涙が止まらなかったことを覚えています。僕がもっと市内の人に知らせていれば・・・、もっと大きな声で叫んでいれば・・・と自分を責めました。

 

その事故をキッカケにボクは腹をくくりました。とにかく伝えていくってこと、発信していくってことです。「知らなかったから・・・」ってことがないように、とにかく伝えていきたいのです。

 

自分自身が感じているのは、こういった危ない場面や事故につながるのは、水になじみのある人のアタリマエが、水になじみのない人にとってはアタリマエじゃないってこと。シンプルに「知らない」ってことです。だからこそ、きちんと伝える必要があるということです。水になじみのある人にとってのアタリマエと、水になじみのない人にとってのアタリマエを埋めていくようなイメージです。知っていれば防げる事故はあるから、分かりやすく何度でも伝えていきたいということです。

 

ボクはできることをとことんやっていくつもりです。それがボクの使命だと思っています。とにかく「ライフジャケット」がアタリマエの選択肢の1つになるように訴え続けていきます。どうぞよろしくお願いします。

 

「子どもたちにライジャケを!」代表・森重裕二(ライジャケサンタ)